病院紹介
東海大学医学部付属病院では、2025年に「炎症性腸疾患(IBD: Inflammatory Bowel Disease)センター」を新設いたしました。
炎症性腸疾患(IBD)は、潰瘍性大腸炎とクローン病の2つに大きく分けられます。これらの疾患は、10代後半から30代の若い世代に多く発症し、学業・仕事・結婚・妊娠・出産など、人生の大切なライフイベントと時期が重なることが少なくありません。そのため身体だけでなく、心や生活にも深い影響を及ぼす病気です。
私たちIBDセンターでは、こうした患者さん一人ひとりの人生に寄り添い、「信頼できる相談先」として、
医療・生活の両面からサポートする体制を整えています。
🧭 私たちの診療の柱:Patient Advocacy(患者アドボカシー)
IBDセンターでは、患者さん自身が疾患を正しく理解し、納得のいく医療を選択できるよう、
「患者アドボカシー(Patient Advocacy)」という考え方を大切にしています。
「こうしたい」「これが不安」といったお気持ちを、どうぞ遠慮なくご相談ください。
私たちは、常に患者さんと共に考える医療を目指しています。
🏥 総合大学病院ならではの“チーム診療”
IBD治療には、幅広い視点が必要です。当センターでは、
- 消化器内科
- 消化器外科
- 小児科
- 小児外科
- 産婦人科
などの診療科が連携し、さらに
- 看護師
- 薬剤師
- 管理栄養士
- 臨床検査技師 など
多職種の医療スタッフが一つのチームとなって、患者さんを中心とした全人的医療を行っています。
特に女性患者さんへの妊娠・出産支援、小児期からの継続診療などにも力を入れています。
🌱 ひとりで悩まず、ご相談ください
炎症性腸疾患は、慢性疾患であるがゆえに、「いつまで続くのだろう」「この治療でいいのか不安」といった声を多く伺います。
私たちは、そのような声に丁寧に耳を傾けながら、最新の医学的知見と人間的なまなざしの両方でサポートしていきます。
「ここなら、ずっと安心して通える」
そんな場所でありたいと、スタッフ一同願っております。

🕒 外来受付・診療時間のご案内
■ 外来受付時間
午前 8:00 ~ 11:00(月~金曜日、および土曜・指定日)
平日の午前を中心に外来診療を行っております。
また、土曜日は第1・第3・第5週のみ診療を行っており、学業やお仕事などで平日に受診が難しい方に配慮した体制を整えております。土曜受診をご希望の方も、どうぞお気軽にご相談ください。
※ 一部、医師の学会等により休診となる場合がございますので、事前の確認をおすすめいたします。
■ 休診日
- 日曜日・祝日
- 第2・第4土曜日
- 年末年始
🩺 炎症性腸疾患(IBD)診療について
当院では、月曜日から土曜日まで各曜日に消化管専門医が外来を担当しております。潰瘍性大腸炎・クローン病など、炎症性腸疾患の診療に常時対応しています。
また、生物学的製剤の投与も土曜日(第1・第3・第5週)を含めて対応可能ですので、通院スケジュールについても柔軟にご相談いただけます。
👶 小児患者の対応について
当院では、基本的には15歳未満の方は小児科・小児外科が対応し、15歳以上の方は消化器内科が診療を担当いたします。
年齢や症状に応じて、小児科との連携も密に行いながら、切れ目のない診療を提供しています。
💊 当院で取り扱う主なIBD治療薬(2026年2月現在)
● 5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤: 軽症〜中等症の潰瘍性大腸炎に用いられる基本治療薬です。
内服薬(錠剤):ペンタサ®、アサコール®、リアルダ®、サラゾピリン®
局所製剤:
・坐剤:ペンタサ®、サラゾピリン®
・注腸剤:ペンタサ®
● ステロイド製剤: 急性期の炎症を抑える薬です。短期的に使用されます。
注射剤:プレドニン®、ソル・コーテフ®
内服薬:プレドニン®、コレチメント®
注腸・局所剤:
・フォーム剤:レクタブル®
・注腸剤:プレドネマ®、ステロネマ®
● 免疫調節薬: 再燃予防やステロイド減量のために使用されます。
内服薬:イムラン®、アザニン®、ロイケリン®(※保険適応外)
●生物学的製剤
抗TNF-α抗体:レミケード®(インフリキシマブBS)・ヒュミラ® (アダリムマブBS)・シンポニー®
抗α4β7インテグリン抗体:エンタイビオ®
抗IL-12/23p40抗体:ステラーラ®
抗IL-23p19モノクローナル抗体:(オンボー®・スキリージ®・トレムフィア®)
●JAK阻害剤:(ゼルヤンツ®・ジセレカ®・リンヴォック®)
●S1P受容体調節剤(ゼポジア®・ベルスピティ®)
●経口α4インテグリン阻害剤(カログラ®)
●血球成分吸着・除去療法: 白血球除去療法などの物理的治療も行っています。
●タクロリムス(プログラフ®):(主に重症例やステロイド抵抗性に行っています。)
★治験あり★
現在、当院では複数の治験にも参加しており、新しい治療法へのアクセスも可能です。詳細は担当医にお尋ねください。
可能な検査
当院では、潰瘍性大腸炎(UC)やクローン病(CD)の正確な診断と、病状の把握・治療効果の評価のために、幅広く高度な検査体制を整えています。
とくにクローン病では小腸病変の把握が重要であり、当院では小腸精査にも対応しています。
🔎 対応可能な主な検査
| 検査名 | 内容・特徴 |
|---|---|
| 上部消化管内視鏡検査 | 食道・胃・十二指腸の観察(※月〜土曜 午前) |
| 下部消化管内視鏡検査 | 大腸・回腸末端の観察 (※月〜金曜 午後/午前枠もあり) |
| 小腸内視鏡(ダブルバルーン内視鏡) | 小腸奥深くまで挿入できる特殊内視鏡 (※火曜+不定期) |
| 小腸造影検査 | バリウムを用いて小腸の通過や形状を評価 (※金曜8:30~) |
| カプセル内視鏡検査 | 小型カメラ入りカプセルを飲み、小腸を観察・評価 (※平日8:30~) |
| CT検査・CTエンテログラフィー | 腸管や腹部全体の構造を断層画像で確認 (※月〜土曜) |
| MRI検査・MRエンテログラフィー | 放射線被ばくなしで腸管を詳しく評価 (※月〜土曜) |
| 超音波検査(腹部エコー) | 腸壁の炎症・腫瘍・狭窄などを簡便に観察 (※月〜土曜) |
🧠 小腸病変への対応
クローン病は特に小腸に病変を作りやすい疾患であり、適切な検査の組み合わせが診断・治療において非常に重要です。
当院では、
- 小腸造影検査
- CT/MRエンテログラフィー
- カプセル内視鏡
- ダブルバルーン小腸内視鏡検査
といった専門的な小腸精査をすべて院内で実施可能です。
⚠ 狭窄への対応と治療
検査により小腸の狭窄が判明した場合、以下の治療選択肢を組み合わせて対応いたします:
- 薬物療法の調整(炎症のコントロール)
- 内視鏡的バルーン拡張術(小腸内の狭い部分を拡張)
- 外科的手術(高度な狭窄・瘻孔形成例など)
いずれの治療も、患者さんと相談のうえ、専門チームが総合的に判断いたします。
🤝 地域連携・紹介医療機関の皆さまへ
当院IBDセンターでは、神奈川県内外の多数の医療機関と連携し、患者さんが安心して継続的な治療を受けられるよう努めています。
以下の病院をはじめ、近隣医療機関からのご紹介を多数受け入れております。
- 海老名総合病院
- 神奈川病院
- 湘南大磯病院
- 伊勢原協同病院
- 小田原市立病院
- 秦野赤十字病院
- 平塚共済病院
- 平塚市民病院
- 厚木市立病院
…他、神奈川県内の複数の医療機関よりご紹介を頂いております。
必要に応じて、逆紹介(地域の主治医との連携)にも積極的に対応しています。
通院継続や日常診療のバランスに配慮した医療連携を大切にしています。
🔬 研究活動について
当センターでは、IBDに関する基礎研究・臨床研究の両面に取り組んでいます。
特に、臨床研究では多施設共同研究を中心に、全国の専門施設と協力しながら実施中です。
最新の知見を診療に反映することで、より精度の高い個別化医療の実現を目指しています。
患者さんのご協力のもと、治験や研究参加も適宜お願いすることがありますが、すべてインフォームド・コンセント(説明と同意)に基づき実施しておりますのでご安心ください。
医師からのメッセージ
炎症性腸疾患センターの設立にあたり、ご挨拶申し上げます。
潰瘍性大腸炎やクローン病は、長期間にわたり患者さんの生活に影響を及ぼす疾患です。これらの疾患は、適切な診断と治療が重要であり、一人ひとりに合った最適な治療戦略を見つけることが求められます。私たちは、患者さんが「病気と共に生きる」のではなく、「病気をコントロールし、より充実した生活を送る」ことができるよう、全力でサポートいたします。
特に、本センターでは小児期にIBDと診断された患者さんの成人期へのスムーズな移行をサポートし、長期にわたる健康管理を支援します。また、妊娠を希望される患者さんに対しては、妊娠計画から出産後までの一貫したサポートを提供し、安全な妊娠・出産を実現できるよう努めてまいります。加えて、私たちは「患者アドボカシー」のスピリッツを推進し、患者さんが適切な医療を受ける権利を守るだけでなく、社会の中で活躍できる環境を整えるための支援を行います。患者さんやご家族との連携を強化し、患者さん同士が情報を共有し、支え合う場を提供します。医療者だけでなく、患者さん自身が主体的に治療や生活の選択を行い、より良い人生を築けるよう、共に歩んでまいります。
当センターでは、診療だけでなく研究にも力を入れ、患者さんの病態の変化をいち早く察知し、最新の医療をいち早く提供できる体制を整えています。地域の医療機関の皆さまと緊密に連携し、患者さんが安心して治療を継続できる環境を整えていきます。
炎症性腸疾患に関するご相談がございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
炎症性腸疾患センター長
鈴木 秀和

アクセス
◎電車・バス
小田急小田原線(快速急行で新宿より約55分、急行で60分、小田原より約30分)
伊勢原駅下車 バス約10分
南口より 4番のりば、東海大学病院行き「東海大学病院」下車
北口より 2番のりば、東海大学病院経由愛甲石田行き「東海大学病院」下車

「東京方面より」 「静岡方面より」
東名「厚木IC」より国道246号線 経由 約20分
※小田原厚木道路の伊勢原ICの下り車線(厚木から小田原に向かう車線)では降りることができませんのでご注意ください。
新東名「伊勢原大山IC」より 約10分
「小田原方面より」
小田原厚木道路上り線「伊勢原IC」より約15分

連絡先
〒259-1193
神奈川県伊勢原市下糟屋143
電話番号: TEL 0463-93-1121(代表)
詳しくは当院HPサイトをご覧下さい。
Web サイト:
https://www.fuzoku-hosp.tokai.ac.jp/
